UK-UWAJIMA
[UK77] / 写真+絵+貼:大竹伸朗
Digging my way to London
大竹伸朗、21歳、パンク吹き荒れるロンドンでみたものの大部分
2004年6月30日発売
B5判 ハードカバー

ロンドンへの穴掘り 大竹伸朗
『1977年5月3日から1年あまりをイギリスで過ごした。
その大半はロンドンだ。入国半年後、観光ビザが切れヴィクトリア駅前から
激安「マジックバス」で10日間程パリに出た以外は結局一年あまりを
ロンドンで過ごした。それが初めての海外での一人暮らしだった。』
この書籍は大竹伸郎が初の海外渡航した英国での放浪旅行を記録した
スクラップブック的な写真集。
大竹の眼に映った、おそらく最も「ロンドンが燃えていた」であろう
時代の空気を感じることが出来る一冊。
あまりにもこの本を気に入った僕はしばらく図書館から借りパクしていたものだ。
(結局返却したが…)
こういった本は一度買い逃すとすっかり諦めて忘れてしまっているものだが、
先日友人から誕生日にプレゼントしていただいた。
本当に嬉しかった。
また自分の中に大竹ブームがやってきて、
以前テレビで大竹特集を組んだ『情熱大陸』のヴィデオを早朝から観てしまった。
ちなみに大竹伸朗とは
大竹伸朗 Shinro Ohtake
1955年生まれ。
コラージュなどの絵画や、ゴミやガラクタを寄せ集めて作るオブジェの創作のほか、
ボアダムズのEYEとのユニット・パズルパンクス、JUKE/19などでの音楽活動や、
著述活動など、80年代以降多様かつ多産な創作を展開している。
国内外問わず多数の展覧会に出品。
造本家としての活動にも力を注いでおり、
画集のみならず、絵本や小説、マンガ、エッセイ集、ぬり絵なども刊行。
紙面の上に別の紙を貼り込んだり、栞ひもの先に別な小さな冊子を付けたりと、
出版の特性を活かした表現を追求する。
1988年より愛媛県宇和島市に移住。活動の拠点を移す。
2006年、東京都現代美術館で大回顧展「大竹伸朗 全景 1955-2006」を開催。
僕は全く職業として成立していないライター業もやっている。
これはマトモな文筆家なら絶対否定するであろう『カットアップ』という
技法に拠るところが大きい。
(人によっては『パクリ』とも言うだろう)
-カットアップの技法を世界的に有名にさせたジャンキー小説家、
ウィリアム・S・バロウズが、
大竹の信奉者だと公言していたという事実は80年代的ポップを考える上で興味深い。
カットアップとは小説や雑誌、新聞などの中にあるテキストを、
単語や一定の長さの小文ずつに切りきざんで分解したあと、無作為に並べ替えて、
一つの文章に再構成する技法のこと。
カットアップされたテキストは当然支離滅裂な言葉のつらなりと化すが、
辿っていくと一つ一つの言葉が何らかのイメージを喚起することになる。
言うまでもなく大竹のコラージュ作品はバロウズのカットアップとよく似ている-
EGO-WRAPPIN’のアルバム[On The Rocks!](2006年)の
ジャケットに施された水彩画も大竹の手によるものだ。
どうしても大竹にジャケを依頼したかった森ラッピンこと森雅樹は
単身電車に乗り宇和島を訪れ親交を深めたという。

このアルバム用のポスターを森君から貰った時、真っ先に思いついたのが
大竹さんに落書きしてもらうことだった。
せっかく松山から車で何時間か飛ばした場所に大竹さんがいるのだから。
と、言いつつもなかなかそんな時間もタイミングも無く
ポスターは丸めて筒に入れたままだったのだが、
ある日ひょんなことから知人がこのポスターを大竹さんのもとに届けてくれた。
ただ結局遠慮して「よかったらサインお願いします」
程度のリクエストに落ち着いていたのだが、
しばらくしてこのような立派な大竹作品に仕上がって返ってきたのだ。
全ての出遭いに感謝。

いつか松山で大竹さんの個展をやってみたいなどと大それたことも妄想中。
モチロン立派な美術館や広告代理店の力など一切借りずに。
(文中一部敬称略)


